撮った写真をレタッチする

証明写真を撮ります

写真を撮るカメラマンとは別に、レタッチャという写真編集を専門におこなう職種があります。フィルム写真時代のプリンタという職種に近い位置づけと思います。

デジタル写真ではモニタを介して写真を閲覧できるので、Web などの画面で見ることが目的であれば映し出されたままで完了となります。写真プリントもほぼ同様です。しかし、商用印刷の場合は別です。

一般的な商用印刷では 4 つの色を駆使し、特殊な技法で紙にカラー印刷します。その場合、撮った写真はモニタで見た物と比べると、シャキッとしない眠たい像となり暗く沈み色が変わってしまいます。それを防止するためにも写真編集が必要となります。色分解や分版などの作業もそれにあたります。

モニタで見るだけの写真であっても、人の肌をキレイにとか夜景をダイナミックに魅了するなど。そういった写真編集を一般的にレタッチと表現しているんだと思います。レタッチがその人(チーム)のフィニッシュ作業であり、個性を決める物なのかもしれません。ボク自身がコマーシャルや商用印刷やデザインの現場に身を置き、また多くの写真に編集やレタッチを施してきたのでよく分かります。

ただ、当スタジオにて撮影した写真。例えばこちらの証明写真撮影もそうですが、レタッチなどの編集を施しておりません。レタッチなどで編集された写真は、人の生理に合致せず不自然に見えて、直ぐに見飽きてしまうからです。できるだけ長くつきあえる写真を心がけ、こちらのペットの肖像写真でも、レタッチを施すことなく撮影からプリントまでをおこなっています。

また、レタッチを施した写真を見る事になる、被撮影者や物などの向こう側にいる多くの人たち。証明写真であれば採用側の人びとやこちらのような作品や商品であれば消費者たちに、レタッチ写真だと見透かされマイナスの印象を、仮にたとえ一人であっても持たれてしまうことは撮影者として本位ではありません。

そういった理由から、当写真スタジオにて撮影した写真にはレタッチなどの編集を施していないことをご理解いただければ幸いです。他方では多くの写真館やカメラマンたちがレタッチを施しているようです。好みとしてレタッチを要望するのであれば、そういった方々に写真撮影をご依頼なさることをオススメいたします。

※レタッチに関して肯定も否定もするわけではなく、ボク自身の仕事として撮る写真に対する単なるこだわりとご理解くださいませ